モード解析およびモデル同定解析による構造物の動的特性の検討-株式会社バイブラントシステム開発
株式会社 バイブラントシステム開発
Vibrant System Development Co.,Ltd
業務内容
前述しましたように、弊社は地震や微動の観測記録あるいは振動試験データによる建築・土木系および機械系構造物の動的特性の検討並びに解析用プログラムの開発を行っています。
振動系の動的特性は観測記録より逆解析的に検討可能ですが、弊社ではその解析手法として「時間領域のモード解析」、「時間領域の実稼動モード解析」および「数値モデル同定解析」を開発してきました。「時間領域のモード解析」は観測記録より、対象系が運動方程式に従うことを前提としてモード定数を求め、伝達関数を計算して系の周波数特性を明らかにします。いわゆる、実験モード解析の一手法です(参照解析手法)(参照適用例)
。「時間領域の実稼動モード解析」は入出力のデータを使用する「時間領域のモード解析」とは異なり、出力のみを使用してモード定数および入力(外力)を求め動特性を明らかにします(参照
解析手法および適用例)
。一方、「数値モデル同定解析」は「時間領域のモード解析」や「時間領域の実稼動モード解析」の結果を参照して系に対して想定した数値モデルの物性値を同定します。同定された数値モデルは系の動的特性についてより詳細な検討を可能にします。数値モデルとして一次元波動方程式モデルおよびFEMモデル(含、質点系モデル)が使用可能です(参照解析手法)
(参照適用例)
。
ところで、逆解析手法はデータの誤差分布が正規分布に従うことを前提とする最小二乗法に基づいています。ここに紹介しました3つの解析手法は、正規分布の性質を踏まえ、最小二乗法に従って定式化した手法です。正規分布には加法性という性質があります。同分布に従うデータの一次式もまた正規分布に従うという重要な性質です。しかし、観測データに対して非線形処理を行った場合はそのデータは正規分布に従わないので最小二乗法は適用できません。例えば、本来の回帰式がパラメータの指数関数の場合、観測データとともに対数を取れば線形関係になりパラメータの計算が容易になると思われますが、対数は非線形関数であり、その計算結果は本来とは異なります。この場合は面倒でもパラメータを非線形パラメータとして扱い非線形最小二乗法に従って解析をしなければなりません。
同様の問題は弊社の「時間領域のモード解析」以外のモード解析にも見られます。モード解析では固有値および固有ベクトルがパラメータとして扱われますが、これら解析手法は、非線形パラメータである固有値の計算について、データおよび元々の回帰式に対して非線形処理を行い固有値を線形パラメータに変更した上で行なっています。当然、実用性はなく、ピークピッキング法という原始的な方法が代替法として使用されています。
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